わたしの人生の頂点は自転車の二人乗りをした時だとは言いたくありま

Shipbuilding2008-05-06

こんな形が本当に朝顔なのか自信がなくなるが。写真で比べると、とりあえず大きくはなっている。釜飯の鉢ですけど、すでに蔓用の棒も用意して育てる気はまんまん。
連休は父親の施設と病院と母親の家への往来にあけくれる。犬の散歩をしたところで、連休の最後の料理としてカレーを作ろうと思い立つ。
ニンニクをオリーブオイルで炒めたフライパンに玉葱を三個を入れて、今は日本国で貴重品となったバターを大量にいれて弱火で炒める。心が痛められた人が玉葱を炒めるんだ。とかひとりごちながら木の杓文字をくりくり回してipodでいろいろな音を聴きながら「モンキー・ビジネス」を読んだりしていると、犬が脚にまとわりつく。じゃまなやつめと、茹でたジャガイモをやると喜んで食べる。サラダ用に茹でていたニンジンやブロッコリーもあげる。母親が最近は自分と犬用に茹で野菜ばかり食べているというが、ほんとに犬に犬の餌をやらないから犬らしくないのだ。
食べ物と顔がその人と犬の思想を形成してしまうのだ。逆もまた可であるはず。
2時間半をかけて玉葱を炒め続けて黄金のキャラメル色にする。もうこの黄金の玉葱さえあれば、わたしには香辛料もルーもが何であってもどうでもいい。あとは安い豚バラの細切れをこの玉葱と一緒に炒める。何かにつけ、肉は一枚ずつよく広げて焼け。というのが唯一母親から教わった貧しい人の料理のテーゼだ。肉の中に玉葱がすりこむ感じになってから、水を入れる。あとは定番のカレー野菜以外に冷蔵庫にあった茄子とピーマンとエリンギもオリーブオイルで軽く炒めて後半に入れる。出来上がる直前にオクラを入れたりする。盛り合わせで筍の土佐煮を作る。5時間かかる。
「モンキー・ビジネス」を完璧に読み終えてしまう。柴田元幸さん周辺の人々が書いていて、丁度読んでいた小野正嗣とわたしの作家である尾崎翠とそのわたしの小説であるはずの「第七官界彷徨」を川上未映子が解説をしている。しかも、わたしの「ドーナツの穴問題」に第七官界彷徨をたとえるなんて。川上未映子の「わたくし率 イン 歯ー、または世界」は2.5回読んだばかりだ。こんなにがんばって読んだのだから、もう誰かと決して合わないだろう答え合わせをしたくなった。勿論そんな話し相手はいない。日本人の口語は1976年に生まれた人からきっちりと境界線が引かれて変わってしまった。というわたしの持論があるのだけど。それはまたいつか。
料理の時間が長すぎるし量が多すぎると母親には怒られる。まあ、それはそのとおりだ。淡々と食事が終わる。でも、かなり美味しいんだよこれ。と、ここで書いておく。

週刊真木よう子を一気にみて、井口昇の特別感をテレビでも味わう。井口さんウォッチャーであったわたしでも、去年の大人計画の映画や「そんな無茶な!」の「おばあちゃんキス」で、ようやく井口さんの「嗜好」とは狙いではなくて本気と書いてヤバイと読むであったのだとわかる。ついでに夏に公開らしい「片腕マシンガール」は、週刊真木よう子の姿と同じではなかろうかと。
やはり円城塔川上未映子が称賛されるこの日本純文学界というのは、わたしも石原慎太郎以上に今の小説への理解ができていない。「ユリイカ」や「考える人」の世界文学の特集を読んで、今のも新しいのも、これならばわたしはわかるという方向で安らぐ。ただ、よく行われるロックベスト100が、いつものビートルズとデイランばかりで面白みがないのと同じように。このベスト100も普通すぎるのだけど。もちろんわたしは、「失われた時を求めて」は図書館の立ち読みで挫折したきりだ。きっと、世界中の失われた時を求めては第一篇だけが借りられて、第二篇からほとんど借りられていないはず。本当は第二編以降は存在しないのかもしれない。
あ。猫のホテルにだけは見に行った。「けんか哀歌」。当日にいっても残念ながら空席がまだあった。こんなに多くの役者たちが売れるとは思えなかったけど、相変わらずの商業浪花節小劇場演劇で相変わらずのキャラ芝居がとても愛おしい。
体調がよくなかったので、自転車に乗って犬の散歩にいく。横を大人の男女が二人乗りの自転車を漕いでいた。いい大人のくせに、実に楽しそうにはしゃぎながら二人乗りをしている。「ハイ。そこ。羨ましがらない!」と、犬と自分に言い聞かせる。なんか最近映画で男女の二人乗りのいい場面を見たような気がする。散歩の間、ずっとこんがらがる記憶をたどる。片思いだったかもしれない人と横浜公園で笑いながら二人乗りをしたことを思い出す。コーハイから聞いたばかりなラブリーな二人乗りの話しを思い出す。その回答はポレポレ東中野でみたピンク映画であった。でも、タイトルは思い出せない。
実家に持っていって、よかった本「最後のウィネベーゴ」asin:430962197Xなんか知ってる文体ね。と思ったら「犬は勘定に入れてません」のコニー・ウイルスだった。あとがきを読んで、ようやく女性と気づく。「アメリカにいる、きみ」asin:4309204791これはとても地味だけど、この人は書かなければならない人なのだと納得。スラデック「蒸気駆動の少年」asin:4309622011も面白くて、しばらくSFを読みましょう。と数百回目のダイエットをしましょうと、もう傷ついたふりをするのはやめましょうと一緒に誓う。
家に帰ってようやく、介護と家事のようなことや他のことやらでつかれはてていることに気づく。しばらくは朝顔のことだけを考えよう。

朝顔の写真はVQ1005で雑誌ナショナルジオグラフィック風味の表紙は、うちのバカ猫をid:sdtさんのだれかへの要望を勝手にうけて、作ってみました。どんなものでしょうか。