したあとにあやまらないで

台風で大雨であろうと思っていたところで目がさめたらば拍子抜けするくらいの晴れた朝だった。拍子が抜けるなんて、日常会話では使わないな。なんだか恥ずかしい感じの晴れ方だった。そしてまだ起きるには早すぎる時間なので、最近進めている「置いておけないので捨てる漫画選考会」を進める。魚喃キリコの絵をわたしは好きではないのだ。きっと漫画でああいうリアル風な顔を書くとよけい気持ちが悪いのは、3Dのアニメにところどころ実写風景を入れられると気持ちが悪いのと似ているかもしれない。なんて寝ぼけマナコで「strawberry shortcakes」の頁を捲りながら思いつく。ホテトルの女の子が、わたしには夢があると呟くところ。好きな菊地と酔った振りをしてセックスをして、相手に「ごめん」と謝れてしまって、わたしも「ごめん」と呟くとことで、猫がわたしが漫画を持っている両手の間から入ってきて、漫画を踏みつけて窓へ歩いていった。捨てるはずの「strawberry shortcakes」は、捨てる決心がつかない保留コーナーへ移される。そして外に出てみると、やはり今日の晴れは恥ずかしい晴れ方だった。