ねこの涙はヤンキーの味がする

彼女はたまに泣いて涙を流す。それは不治の病の恋人が倒れたときの悲しい涙でもオリンピックで優勝をした嬉しい涙でも甲子園で落球をした悔しい涙でもなく、わたしが丸めたレシートを放り投げては彼女が走って取りに行くという遊びをわたしが飽きて中断し彼女がレシートをわたしの足下でこすりつけるようにしても相手にしてやらないとき。
彼女は「ふぐわー」と泣いて、目から涙を数滴流す。という証拠写真。ちなみに泣くときは必ず箱座り*1をする。たぶん不貞腐れたヤンキーを気取ったポーズなのだろう。もちろん猫が泣いたからといって、遊びに付き合ってやるほどヤワなわたしではない。彼女に甘いところを見せてはいけない。もっとわれわれは生きるか死ぬかのヒリヒリした関係なのだからね。と、耳元で言い聞かせて猫砂を替えてあげた日。

*1:尻尾と両手両足を畳んで体の下に入れる彼女の高度な技