魔法のランプでごはんを食べる猫

わたしの長年の人生の大きな疑問は、「なぜ、お店によってはカレーライスのカレーがライスの上に乗らないで出されるのかしらねえ」というちょっと軟弱な問題だったのだけど。それについてきちんと答えてくれる人も書物も見つからなかった。もう、カレーの専門店に行くと必ずごはんとそれとは別に魔法のランプみたいな物の中に入ったルーが出てくる。結局、ライスの上にかけるでしょ。なぜ最初からかけて出さないのかインドの神々よ!
と数十年思い続けていたのだが、その魔法のランプを実家に行くと親がお茶会の友達から貰ったといいながら、カレーを入れて出してきた。しかもすでに料理嫌いになった親から「イン・カレー曜日」とか言われつつ、インスタントの「カレー曜日」を食べる。え?美味しい?と、はてなマークを浮かべると、カレーをご飯に直接かけないで、いったんこの器に入れることによって、美味しさ5割増しになる。それが神々しいインドの力らしい。と言われると素直に納得したものの、念のためにと、近所のネパール料理屋におせちを買いに行く。店の前に人力車のような物を出しっぱなしで近所から苦情がきているらしい日本人の店長に聞くと、「あれは日本人のインド趣味だよ、何の意味もない悪趣味ね」といつも何故か外人風のイントネーションで話す、あなたも悪趣味ですから!とこちらも誰かの口調になる。そして、このお店のカレーの器とうちの♀猫パスタ=定吉のごはんの器がおよそ同じであるのも気になる。
明日は猫の器用に魔法のランプを買いに出かけよう。