全然大丈夫にキャッチアンドリリース

またもや、ダッシュで渋谷のセンター街を駆けぬけて目指しましたパルコのpart3の上の方。汗だくになりながら、映画館に入ると、後ろや横にテレビや雑誌やらマスコミの数がすごい。R−1以降もあまり露出がない鳥居みゆき目当てなのか、ちょっと異様な雰囲気で。元来ネタに負けずトークが愉快な鳥居さんは、明日からでも「笑っていいとも」に出られるようなキャラを無難に発揮。詳細は、「 http://zenzenok.jp/news/2008/02/post_55.html#more」。でも、相方は竹山さんでないとねえ。と微笑みながら見ているうちにトークショーが終わって、客席を無視して延々と雑誌やテレビ用のポーズをさせられる時間が続くのは、どうしたものだろう。とはいうものも、きちんと要求に応える二人は見事なプロでした。
映画は、藤田秀幸が藤田容介に変わってしまって、なんとなく三木聡みたくなってたら嫌だなあと思っていたら、三木聡にはなっていなくて。それよりもフジテレビの「さば」ではほのかに感じられた「グループ魂のでんきまむし」的な面白も全く封印されていて、ゆるくもいい映画を作りたかったのですね。と思っているうちに何かの効果音?と次第に映画の音が聞こえなくなるくらいの映画館の外からはしゃぐ声。マスコミなのかゲストの人だったのかわからないけど、大勢の女性のはしゃぎ騒ぐ声で映画が聞こえなくなって、なんか手に汗をかくくらい嫌あな気持ちになる。近くの映画館で最初から最後までピンボケで上映されてもファミレスで出てきたカレーの中から図鑑に載っていない虫が出てきてもよけて残すだけで文句を言わずに生きていたわたしも、この日は。この日ばかりは。と思うだけで、そんな温度差がなく生きてきた自分の人生の不甲斐なさを無駄に集合させて悲しくなる。が、映画では面白も哀しみもわびさびも感じられないまま。この日の外側の騒音で集中できず、すっかり平安な感じで、隅々に大人計画やらサブカル的な人たちが行き来して、江口のりこさんは相変わらず凛々しかったけど、木村佳乃さんの役は新井亜樹さんだったら荒川良々さんと映えるけど岡田くんや田中くんとは合わない?などと余計なお世話的なことを思っているうちに、そんな一年後はないだろうけど、少し羨ましいわねという感じでいつのまにやら緩やかに映画は終わる。
あの騒音がなければ違ったのかもしれないけど、映画とその物語からは全く憩うこともできず、旅に出る前の蟹江敬三的な気分を維持したまま、この日のトークショーが良かったなんて考えている関係者やマスコミの人たちは地獄に堕ちてしまえと呪いながら渋谷の街を背中を丸めてぽちぽちと帰る。スプートニクに乗ったライカ犬やちくわを手作りしようと考えながら横断歩道を歩いていたら、チケットをとってくれた会社の人からメールが届いていた。「キャッチ&リリース。リサ・ステッグマイヤーはタッチ&ゴー」まあそんな感じで渋谷の夜は。