映画

 ダージリン急行

会社のインド人といっしょに観たダージリン急行は面白かった。インド人もこれはインドの田舎だしあんな列車は知らないよ。と他人事だったけど、わたしは奇妙なインド人の描写に怒る彼を想像していたのに、映画で描かれるインド人もインドもおよそ真っ当で。…

 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

連合赤軍を扱った小説や映画で、よかったものなんてひとつもない。特に最近の「光の雨」、「突入せよ! あさま山荘事件」はわたしにとってはひどい映画だった。だからといって長谷川和彦の赤軍映画に期待をしているわけでもなく。若松孝二の赤軍映画に期待を…

 なにもかもをそいでみる

映画で使われるあまりに芝居的な演出を削いでいったものや。類型的な物語性や人間性を描くということをどんどんそいでいった物が観たいな。と思ったところにはまったのが、アテネ・フランセ文化センターでの「ヴァンダの部屋」をはじめとする、ペドロ・コス…

 チョコ菓子の弾丸は撃ちぬけない

仕事中に糖分を補充しなければと思って、机で明治の板チョコを食べているときに限って、隣の彼は亀田製菓の米国進出について語りながら柿の種やポテトチップを食べる。そのとき、わたしの脳は糖分のことしか考えられないので柿の種の匂いすら嗅ぎたくないの…

 「おそいひと」と world's end girlfriend について

すでに、この映画について忘れ去られようとしている画面や物語を自分からひっぱりだして、書いてみる。 映画に美味しい物を食べる場面は必須だ。そして、二人で美味しく食べる場面があると、その二人は愛し合っていることになる。というわたし的映画文法に則…

 「おそいひと」にぜんぶ

同じポレポレ東中野で上映している「おそいひと」は気になるけど、なんか面倒くさい映画?でも、せっかくだから見てみようかと。せっかく人間の本領発揮をして、久々の自分二本立て。そして、そんな軽い気持ちで降りて行った階段をものすごい重い気持ちで上…

 全然大丈夫にキャッチアンドリリース

またもや、ダッシュで渋谷のセンター街を駆けぬけて目指しましたパルコのpart3の上の方。汗だくになりながら、映画館に入ると、後ろや横にテレビや雑誌やらマスコミの数がすごい。R−1以降もあまり露出がない鳥居みゆき目当てなのか、ちょっと異様な雰囲気で…

 しっつこく、人のセックスを笑うな

それは、ビョークを見た後に電車に乗ってチョコを食べながら前に座って寝ている人のつむじを凝視し脳内でビョークのライブのアンコール曲「DeclareIndependence」で「ハヤーハヤー」の掛声の繰り返しからいつのまにか人のセックスを笑うなの楽曲「エンジェル…

 陰日向で君のためなら千回もセックスを笑うな

映画「陰日向に咲く」は本当に時間つぶしとして映画館に入ったとしか記憶がすでになく、「君のためなら千回でも」は、いったい何が千回なのかが気になって見に行ったが、なるほどな千回だった。ただ予告編をみたところでは想像できなかったリアルな暴行シー…

 童貞。をプロデュース

加賀君にくぎつけ。加賀君になりたい。というより加賀君の母親になって家族会議でこんな映画に出てしまってエと叱りながら嬉しがりたい。キャラが立つという言葉こそこの1と2の童貞主人公達のことだ。それにしても加賀君の格好よさ。自意識過剰と職業差別…

 何もかもが窓にくっついていた

朝走るためにウェアの準備をするものの、ヤン・ファーブル「死の天使」を見た興奮なのか、ただコーヒーの飲み過ぎなのか、うまく寝られずにそのまま雪の降らなかった日曜日の海沿いの道を走ることにした。手袋をつけて帽子を被りipodのイヤフォンを帽子の中…

 わたしたちは他人の人生を生きています

ガンモのハーモニー・コリンで熱狂した人たちをまた同じ映画館に呼び戻したかのようだった「ミスター・ロンリー」は、こっちも向こうも歳をとったからなのか、いきそうでいかないような映画だった。それでも予告編では想像できなかった展開は、一日前に読ん…

 「フランドル」と「俺は、君のためにこそ死ににいく」

映画「フランドル」の予告編やポスターは美しすぎる。上手すぎる。と、勝手になんか美しい風景に青春とか挫折かと時々ざせつ?みたいに予期していた映画は、全く違っていた。今でもどの場面を思い出しても精液の匂いがする。そんな映画であった。わたしの自…

 いさぎよく面白かった映画たち

「ラブソングができるまで」は、娯楽映画の潔さがあった。でも、何か安っぽいのよねと思ってしまうのは、毎度の落ち目のポップシンガーをやらせたらあまりにはまり役なヒュー・グラントの芝居のせいだろう。そこが素晴らしく、それを計算したのかしないのか…

 赤い文化住宅の初子

松田洋子の漫画が映画になるということを知ってから、何で「赤い文化住宅の初子」を監督は選んだのかしらネ。という謎は監督は最近まで松田洋子の漫画を読んでいなかった。というインタビューを読んで納得。松田洋子の漫画を知らないというだけだったのだ。…

 ストリングス〜愛と絆の旅路

最初から人形達が自分たちには天から紐がつけられている。と自覚している人形劇。物語はともかく、人形は美しかった。マリオネットであることを知っている世界。そんな世界での出産や愛し合う場面というのは、また紐に捕らわれているからこその美しさだった…

 ハンニバル・ライジング

ハンニバル・ライジングは ギャスパー・ウリエルは確かに美しかった。ということしか記憶に無く。映画はミステリでもホラーでもなく、村川透による松田優作の遊戯シリーズのようだった。安心して見ていられる復讐劇というのは、どうにも単純な物語でしかない…

 妄想するにもほどがある

まだ坦々麺を食べて濡れた頭が乾かないまま「恋愛睡眠のすすめ」を見に乙女で満員の映画館へ入った。日本語として「睡眠恋愛」が普通なのではないだろうか。それを逆にした拘りに意味があったのかしら。原題の直訳「睡眠科学」はワコールが商標登録している…

 ツンデレにもほどがある

マンガ・エロティクス・エフはいつのまにか連載人が豪華になっている。沙村広明、オノ・ナツメ、鬼頭莫宏、三宅乱丈、山本直樹、松苗あけみ、とアフタヌーンとIKKIの連載人にエロ度をあげた漫画を書かせたような。そして今号は「赤い文化住宅の初子」の特集…

 バベル

そういえばわたしも映画館を出て頭が痛かったと思い出したけど、わたしは1年の半分くらい頭痛がするのだった。「アモーレス・ペロス」は今でもいい映画だったと思う。しかし「バベル」は散らかったままで、なにも集約してもらず。散らかり方もまたどの話も…

 東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン

映画館ではどこもかしこもから鼻をかむ音。声をあげて泣く人。。言ってみれば。幸せに生きた母親が幸せに死ぬ話がどうして悲しいのか。本や言葉の技術に泣かさせられているだけですから。と映画館でただ一人冷静なわたしの方が人として間違えているのだろう…

 間宮兄弟

WOWOWでは森田芳光の間宮兄弟がはじまっていた。そんな放送があることは知らなかったが、もう部屋を一目見ただけで、ああこれは間宮兄弟の映画だとわかった。そしてテレビを見ながら数年前に小説「間宮兄弟」asin:4093874999を読んだときに感じた、彼らの静…

 僕の大事なコレクション

小説「エブリシング・イズ・イルミネイテッド」asin:4789724131はわたしにとっての満点小説だったので、この物語でこの小説以上の映画を作れるはずはないと映画を見ることには興味がなかった。しかしその日は一駅離れたTUTAYAから半額割引なのだからど…

 音楽とはソウルのことなんです

世界情勢のなりゆきとかいうもので会社を早退したために、またもや「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を見てしまう。そしてしつこく驚いてしまったのだけど、やはり映画館は老夫婦ばかりでものすごい満員だった。今度はアルトマン演出云々を抜きにして気楽…

  年に一回はキム・ギドクを見るんです

キム・ギドクの映画は、説明をしようとすると2,3行で魅力的なあらすじの説明をすることができる。ただ、その2,3行で表現できるアクの強さが自分でも好きなのか嫌いなのかわからないのだけど。とにかくいつも見逃せないのはわたしもあの男と女を煮込ん…

 うまくいかないなら それは坊やだからサ

最近は同じ物語を小説や漫画やアニメでくりかえす。佐藤賢一の「傭兵ピエール」や酒見賢一の「墨攻」や佐藤大輔の「皇国の守護者」を漫画でも読み、墨攻にいたっては映画までを見る。というわたしの繰り返しブームは、「ケロロ軍曹」をDVDのアニメで観て…

 あるアルトマンの死

ポレポレ東中野で異端の美術家たる大浦信行が作って針生一郎やら重信メイやら鶴見俊輔らが出演している「9.11-8.15 日本心中」を観て、わたしはドキュメンタリーの観方がわからないというか。その作り物ではないことになっているはずの作り物に居心地が悪く…

 アイルケとジャッカスは何でもあり

「愛の流刑地」はテレビ時代がとても好きだった鶴橋康夫独特の演出。過剰な光の演出。火曜サスペンス劇場での雑なレフ板をいくつも役者にあて、カメラは不安定に動く。いつも記者が犯人を過剰にとりかこみ、音楽はスキャットのような女性の声が聞こえて。と…

 とか美術の前では言葉をなくすくせに、映画や小説には過剰に言葉を出すことが出せるのは。それこそ本質のことをいっているのではないから

わたしは熱心ではないけどそれなりに塚本晋也作品は観続けている方だと思う。けど、悪夢探偵は苦しかった。いつになく映画としてのやすっぽさが全面に。それは塚本さんの子供のような面白がり方。面白がらせ方が「人の夢の中に入る男」というアイデアまでは…

 いつのまにやら山本政志

わたしの一番好き(だった)日本の監督であるところの山本政志がいつのまにか新作「聴かれた女」を公開するのですね。http://www.kikaretaonna.com/index.html またもやポレポレ東中野で。これは何が何でも何がおきてもおきなくても行かせていただきます。