間宮兄弟

WOWOWでは森田芳光間宮兄弟がはじまっていた。そんな放送があることは知らなかったが、もう部屋を一目見ただけで、ああこれは間宮兄弟の映画だとわかった。そしてテレビを見ながら数年前に小説「間宮兄弟asin:4093874999を読んだときに感じた、彼らの静かな生活ぶりを羨ましく感じたとを思い出した。映画になったと知っても映画館で見たい気には全くならなかったけど、この映画もまた想像以上に間宮兄弟の生活の甘くも懐かしい感触がきちんと描かれていて驚いた。あの小説で感じた、彼らがいくつかのざわざわした問題に巻き込まれながらも、結局は自分たちの潔癖な生活を維持できることが素晴らしく感じだのだ。そして他者と関わらないいくつかの事柄への凝り性な生活ぶりは、わたしにも真似できそうな気がしたのだ。わたしが望む生活はもうお金や仕事の質でもなく、ましてや生活に幸福感やら充実感だのを得ることですらなく、ひたすら自己完結できる生活をしたいのだ。しかし、間宮兄弟の生活というのは、ちっぽけなのだけどファンタジーともいえる美しき非現実な景色なのかもしれない。それでもわたしは、ひとり間宮な生活が理想なのだ。と、会社に行きながらも心は引きこもりなわたしは、あと10年生まれるのが遅かったらば、本当に働いていなかっただろう。働いていないだけではなくて。。などなどとなりえなかったもうひとつのわが人生を想像しては、その人となりに興味が行かざるをえない