ヘンリー・ダーガー展

を見に行った。日本にとってというか、わたしにとってヘンリー・ダーガーという名が知れ渡ったのは、4,5年前に桐野夏生の小説の表紙になったり、美術手帖の表紙になったり、ワタリウム美術館で展示会が開かれたり、誰かが仕組んだ特集であった。しかしそれはともかく、ヘンリー・ダーガーの絵と彼の王国の一端でも触れられたことは幸せだった。またここでも、間宮兄弟ならぬヘンリー・ダーガーのひとり王国に。そしてヘンリー・ダーガーのひとり暮らしに憧れた。それからまた今、原美術館で見事なくらいエログロ一切なしの彼の絵をガラス越しに見ると、昔は気づかなかった彼の絵が今の日本人に望まれるであろうカワイイという景色にぴったりあっていることが恐い。あの色使いと構成のはまり具合に、日本の今の景色を感じつつ。