とか美術の前では言葉をなくすくせに、映画や小説には過剰に言葉を出すことが出せるのは。それこそ本質のことをいっているのではないから

わたしは熱心ではないけどそれなりに塚本晋也作品は観続けている方だと思う。けど、悪夢探偵は苦しかった。いつになく映画としてのやすっぽさが全面に。それは塚本さんの子供のような面白がり方。面白がらせ方が「人の夢の中に入る男」というアイデアまでは充分納得ができるのだけど、物語として映画全体としはとても貧しい。ただ相変わらず人という形やそれが壊れていくさまへの固執は見事。そして、相変わらず重要な役で監督自ら出演をしているのだけど、塚本晋也の顔と保坂和志の顔がついでにいうと村上春樹の顔がとても似てみえた。絶対に10世代前はこの3人の祖先はひとりのヌメ顔の男に違いない。とわたしの容量のとてもちいさい頭から未だに「ストロベリーショートケイクス」での保坂和志の「中で出しちゃってごめん」と言った顔が忘れられない。あと、いつも塚本作品のクレジットを見て思うのは塚本さんひとりで何でもやりすぎ!シリーズ化は誰かが止めないと。