音楽とはソウルのことなんです

世界情勢のなりゆきとかいうもので会社を早退したために、またもや「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を見てしまう。そしてしつこく驚いてしまったのだけど、やはり映画館は老夫婦ばかりでものすごい満員だった。今度はアルトマン演出云々を抜きにして気楽に見られたからなのか、よりリアルなライブ感を堪能して素直に感動をした。とはいえ、この映画で行われる演奏はカントリーやフォークやブルースというアメリカのルーツ音楽なので、気分が高揚するというのとは少し違う。アメリカ人でないわたしが、様々なアメリカのルーツ・ミュージックを聴いて感じることは、アメリカの歴史であったり、アメリカの文化のことなのだけど。その話はとりあえず横に置いといて。同じく、アメリカのルーツミユージックのひとつである、黒人音楽を扱った「ドリームガールズ」でも、文化として黒人音楽とそれを利用した白人音楽や、またビジネスとして扱いはじめる物語が入ってて興味深かった。だけど、映画としての「ドリームガールズ」はとても器用に作られた全編がCMのような映画だった。それが「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を何度も見たくなってしまうのは、物語と音楽とをあわせたライブ感の違いかもしれない。そしてこれは「ドリームガールズ」で使われていた台詞だけど、本当に音楽とはソウルなのだ。そしてそれが映像に表すことに成功していたのがアルトマン映画なのだ。それにしても、どうしてつい最近出来たばかりの国のアメリカにそんな音楽が継承されているのに、日本には、ルーツミュージックと呼べて今でも続いている音楽がないのだろう。と、そんなことを考える振りをしてRy Cooderの新譜を見つけてジャケ買い