いさぎよく面白かった映画たち

「ラブソングができるまで」は、娯楽映画の潔さがあった。でも、何か安っぽいのよねと思ってしまうのは、毎度の落ち目のポップシンガーをやらせたらあまりにはまり役なヒュー・グラントの芝居のせいだろう。そこが素晴らしく、それを計算したのかしないのか、ドリュー・バリモアの細かな応対をする顔の芝居にしびれる。E.Tを抜いたドリュー・バリモアの代表作と讚えたい。「リンガー!替え玉★選手権」もさらに潔すぎた。知的障害者のふりをして障害者オリンピックの優勝を目指す。という、それってどうよ!な企画はとまどうこともなく安心して笑える。知的障害者のふりをして笑わすという危なさも次第に、心あたたまる痛快な物語となっていた。ジャッカス・ザ・ムービーにしても遠慮なく障害者の障害部分で笑いをとる映画を作れる潔さは素敵だ。テレビでみたVフォー・ヴェンデッタミュンヘンも面白かったし、中学生のときに見て以来にBSで見直した「ジョニーは戦場へ行った」は本当に何から何まで失ってしまった男の映画だったけど、思っていたよりも悲惨さや痛切さは感じられなかったし、こんな幸せそうなベッドシーンがあったことも忘れていた。