チャールズ・フレイジャー「コールドマウンテン」

この小説が新潮クレストから出るかなり前から、出版を楽しみにしていて読んだ。何しろ、デビュー作で全米図書賞をとって、その年の全米図書賞の候補作といのが、ドン・デリーロの「アンダーワールド」だったり、トマス・ピンチョンの何かだったのだ。まあ、そういうわけで、クレストだし純文学という覚悟のもと読んだのだけど。それが、枕のように厚いくせにあっという間に読ませてしまう小説さだった。まさか映画になるとは思いもしない、寧ろドラマチックというより、二人の主人公の気持ちをこれでもかというくらい丹念に描かれた小説だった。