ねこおんざわたしのひざ


狭い台所やトイレや玄関ですれ違っても、よそよそしくすれ違うわれわれ。そんなよそよそしさの距離が丁度いい。なんつうのは、何者とも仲よくなれない者のいいわけ。しかしながら、勝手な都合でたまには近くによってみたくなるのだが、そんなときこそ、容赦なく逃げられる。って、ネコってそんなものでしょ。人とネコが反発しあう力が地球と月の関係のはず。
しかし、月へ飛ばすロケットを私は発明した。その強引な手口は彼女が寝ているところを抱きかかえ、そのままわたしの膝に乗せる。という。何もわからないまま、彼女はちょっとあたたかい棒かい?みたいな感じでしばらくそのまま乗っています。
が、これが、あまり好きではない物体が近くにいると気づくと、誇りを傷つけられら王女のように、堂々とわたしの膝から去っていく。