我ひとり永遠に行進す

Shipbuilding2006-07-17

兵士の仕事は待つことである。闘うことが仕事なのではない。ほとんどが待ち時間だ。永遠に思える時間を待ち続ける。とくにあの戦争ではそうだった。待つ、待つ。そしてその先にあるものは一瞬の閃光のはずなのだ。
週末のファミレスで親と過すことも待つことである。食事をすることではない。ほとんどが待ち時間なのだ。永遠に思える時間を待ち続ける。とくに昨日のあのファミレスではそうだった。待つ。待つ。32分。それが恋人と過す時間であったらば違う時間であったのだろう。まともなコミュニケーションがとれない要介護4の親と過すことは、ただドリンクバーを12回往復をすることと、親ができれば粗相をしないでいてくれることを祈るくらいだった。そして料理が来る前にすでにチョコレートドリンクで胃袋は満たされていた上に自分が注文をしたジャンボハンバーグと親が残した定食まできれいにしてヒリヒリと頭痛を覚えるくらいの満腹感を抱えて外に出たところでわたしの頭の中で閃光がはじけた。そんなCOCOSの扉で前のめりに倒れるわたしを抱えてくれたのはビールと煙草の匂いがする野球のユニフォームだった。そしてブラックアウトしていく中でわたしが最後に見た景色は出入り口に敷かれた「ダスキン」の文字だった。
にわか雨が降り意識が戻ったところで、またもや実家の芝刈りをする。この刃の部分がナイロンで出来ている掃除機に似た安物芝刈り機を使う芝刈りは危険なくらい楽しい。ついでに縁の下にまで刃を入れると、大量の虫達が襲ってきて体のいろいろなところを喰われ、いろいろなところを大きく腫らす。そんな千葉の危険な戦場を体験した介護週末。
そんなささやかな兵士の心を癒すために、いつもの映画館で「サイレントヒル」を観る。年齢別ゲーム無駄消費時間選手権というものがあったらば、千葉市代表に間違いないわたしはもちろん「サイレントヒル」好きだ。そしてゲームをしたことがない人にとってこの映画がどう観られるのかは知ったことではないが、映画自体はとてもサービス精神に溢れ、フランス人がハリウッド映画という文脈にのってきちんと作られた映画であった。とくにあの三角頭や異形なる生き物たちが見事に実写化されていた。ゲームに関係なく悪魔だとか地獄だとか煉獄だとか魔女とかいうもののイメージ化に正面突破して成功した映画であったはず。そしてこの写真はこの映画の中で一番恐かった場面。映画の随所に現実ともうひとつの世界の捩じれと重なりが描かれているのだが、ここのシーンが一番デヴィッド・リンチ的な悪夢に近づいた静かな画面だった。もちろんDVDが出たらあのナース達のくねくねダンスを録画してあの踊りをマスターして地下鉄で披露したい。
わたしが好きな監督アルノー・デプレシャンの新作に「キングス&クイーンhttp://www.kingsqueen.com/というのがあって、これもまた観に行けそうもないのだけど。たぶんそれと関係なくわたしは王子様とお姫様物語が好きだ。さらにそれと関係なくわたしはTVの「王様のブランチ」が好きで。特にはしのえみのお姫様マニアであり、斉藤兄弟の王子様マニアだ。特に斉藤慶太王子様に仕える執事服を着て腕まくりまでする佐藤弥生さんという絵柄がたまりません。「おうじ〜」という響きに確実に脳のどこかが反応しているわたしの前世は絶対王子様かエマかカエルに変身させられた王子様であったに違いないはず。
今週で終わってしまう映画やライブや芝居が観られないのは何も準備をしていない屋久島へ行くため。しかし行ったことがなかったり行くことがないと言っている人の方が私よりも断然屋久島についていろいろ詳しくて無性に口惜しい。経験は知識を越えるかもしれないが、経験したいのにしたことがない者は知識のある者に嫉妬するのだ。それはきっと偶然みつけてしまった好きな人のブログとかミクシイとかで好きなひとの知らない一面を読んでしまったこととはそこそこ関係がないだろう。
今日の♀猫定吉=パスタのgifアニメはミクシィとやらで知りあったイラストレータの方 http://mixi.jp/show_friend.pl?id=116372 に作成してもらいました。恐縮&ありがとうございました。ミクシィも決してエロコミを探し回るためにいるわけではないのです。