誰でも、愛されるとよりよい人間になる

Shipbuilding2006-08-26

うすうす気づいていたことではあるのだけどわたしの部屋には買ったままで開けられていない本や漫画やCDやDVDが溢れていてきっとそのうちの殆どはずっと開けられないままの生涯を終えてしまうかもしれないしさらにそのうちのいくつかはすでに家にあることを忘れられたまま同じタイトルのものを買われてしまうのだ。お気の毒に。という不幸な行為を続けてしまうのは時に過食症や過運動症に至ってしまうわたしの精神的なところに問題があるはず。ということは実のところ全く関係なくて単にお金の使い方を知らないことと映画館や公演で観ているもののDVDのBOX買いをしては手許にあることで自分の記憶を強められたはずという自己錯覚満足気分に陥っているだけだ。
と方や一度も開けられないタイトルがありながら、何度も見たり読まれたりするタイトルも多い。そんな最近のわたしが繰り返して読んでいる小説はアリステア・マクラウド脳を鍛える大人のDSトレーニングや川嶋東北大教授の名作音読ドリルだ。DSトレーニングは早く読むためのものなのだけど、これが声を出して読んではじめてその文書の魅力に気づくところがある。しかも、ここで選ばれる名作というその殆どが芥川龍之介太宰治川端康成のわたしの知らなかった短編の一部だったりするのがニクい。そんな短編を親のために買ったはずのドリルを持って殊勝にわたしは音読をする。これはわたしの小学生からの持論であってもしかしたら幻想なのかもしれないけど、その人が書く文章というのはその人の生きている姿勢なのだ。それはたとえ400字であっても、わたしはその人の姿を想像してしまう。というわけで、芥川龍之介太宰治川端康成の文章は素晴らしくて面白いのだけど、その生を自分で全うできない危うさまで不必要に感じてしまう。ということで弱っているときこそ、わたしは同じ弱き者の文章か心優しき者の文章を探しては心を落ち着かせる。というわけで、今のわたしにとってはいつも物知りで心優しく正しきことの規範であるおじいちゃんのような文章が必要になるので「オシムの言葉」でもいいのかもしれないがここはアリステア・マクラウドの文章をひたすら読んで納豆おくらご飯をただひたすら口に放り込むあと少しの夏休み。