バレンタインの終わりゆく数多のセックスの上から

Shipbuilding2008-02-14

わたしが毎日のように通うネットカフェはホテルの上にあるので、眺めは綺羅星のように美しく、利用する人もよくわからないサラリーマンか忙しそうなOLかカップル個室に不倫カップルがぽつぽつみたいなところが妙に和み落ち着く。のはずが、さすがに今日は特別の日なのだとロビーのカップル渋滞で気づく。そしてわたし以外一人もいないネットカフェで夜景を独り占めできてご機嫌なハッピー・バレンタインズ・デイ。
昨年読んだ本の中で、いいとか面白いとかではなくて、この人の書く物語をまた読むことができたんだあ。とため息がでたのが、両方とも扶桑社ミステリーから出たけど全くミステリーなんかではないウォルター・テヴィスの「ハスラー」と、もうひとつはコーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」だった。特にコーマック・マッカーシーの「No Country For Old Men」という文学の香り高き原題を、どんな風に間違えればこんな邦題にすることが出来たのだろうと考えると「大阪で生まれた女」を18番まで唄いたくなる 。

3月に映画が公開されるコーエン兄弟の邦題「ノーカントリー」も意味がわからないなりに、映画の邦題決定会議の席で、この小説の邦題はありえなくない?ナイヨネエ。みたいな話になって使わないでくれただけでもたいへん嬉しい。 とか、バレンタインが終わった日に下のホテルで行われている数多なセックスたちの上に座りながらネットカフェで書こうとすることは