「ドブの輝き」と「チューブラルーム」 

個人的には大人計画の本公演では「ヘブンズサイン」、ニッソウヒでは「フクスケ」がらしさの頂点だったと感じているのだけど。こんなに本気でおかしい「ドブの輝き」を見てしまうと、もう大人計画松尾スズキ劇団ではないのな。という方向に感動。特に最後の「アイドルを探せ」でママさんコーラスと同じといえば同じの劇団員を全員揃わせてのコーラス場面では、一人ひとりがみんなこんなに活躍できてよかった。テレビや映画に大人計画の役者が出ない日はないと言われる大御所劇団ぶりに感激。そういえば昔からよく全員をひな壇のように集める構図を作っていた。あの昔のへんな人たちの集合から活躍している人たちばかりの集まりへの変貌力はすごい。その場面での無理矢理感も拭えない「お米券の唄」はこの芝居用の唄だったかのように奇妙にまとめられていた。やはり大好きな井口昇の映画篇も遠慮しつつも、彼の変態ぶりが本多でも見られて嬉しい。三篇を通して弱者を笑いものにする。とこれだけ堂々とそして、本気でおかしく笑いものにはなかなかできない。それから、みんな脚が不必要にきれい。今回の公演でも池津さん宮崎さん村杉さんらに堂々と美脚を見せびらかせられた。前にも荒川さんの美脚ぶりにも驚いたけど、大人計画の美脚度の高さと障害者芝居の上手さにこそ、大人計画の本質に違いない。双数姉妹はただ同じ時期に公演をしているなあということともっと太っていた頃の今林久弥さんは格好よかったなということだけを。