ひとつ残らずきみを悲しませないものを

Shipbuilding2008-02-06

どういうわけか、とつぜん。さほど意味があるとは思えないようなきみの声が聞こえてきてあごの下をなでてあげるときのきみの表情を思い出したり。そんな記憶にとらわれてしょっちゅう胸が苦しくてしかたなくなるのだよ。てなことをかなり離れた部屋の端からこちらを見ているのかいないのかもよくわからない彼女に対して臆面もなく説明しているときにcharaの「そして僕は途方に暮れる」が流れていた。
そもそも大沢誉志幸のアルバムが見つからないではないか。とYouTubeでみつけた「そして僕は途方に暮れる」。すごい。大沢誉志幸の顔だらけ。最初の「そして僕は」の一言でゾクっと来てしまう安っぽいことこの上ないわたしだ。別れることも出会うことも知らなかった大昔に聴いた「きみのえらんだことだから、きっと大丈夫さ。きみが心に決めたことだから/そして僕は途方に暮れる/見慣れない服をきた君がいま出ていった」という歌詞の部分がこの大負けっぽい情景描写が大好きだった。それからわたしは数えきれないくらいの回数の歯を磨いた今になってもまたこの曲とこの歌詞を聴くと奇妙な感情でわくわくしてくる。「そしてぼくは」、「途方に暮れる」で終わるPVのなんて格好いいことか。自分が思い出したときにいつでも聴けるように貼っておこう。



これも自分のために。いけないことがいけないことなのかどうかを岡村くんに訊かれるまでもないのだということにいつでも頷けるように。
ちなみにこの歌詞の「ねえドンファン」というところをわたしはずっと「メロンパン」と思っていた。だってそう聞こえるのだもの。で、「メロンパン、彼女のラブ、セックス、キス、朝まで待っている」なんてシュールな歌詞?と思っていたのだけど。まあ、本当の歌詞にしても意味がよくわからないことには変わりがない。そしてこのライブ映像の暑苦しいたたみかけはここまでやられると清々しい。

もう書くことも無くなってきた。というか、さいしょから書くことなんて何もなかったのだけど。ここにだって何ひとつ本当の事は書いていないし、現実でもずっと本当のことを話さないでいたら、何ひとつ自分には本当のことが身についていないことに気がついた。
そしてぼくは、いまは何もありません。