空白に落ちた男

文化庁の芸術家海外留学制度とかで演出家が海外に行くと、みんなつまらなくなって戻ってくる。というわたしの長年の理論をまた証明するために「空白に落ちた男」を見にベニサン・ピットまで。駅前の京金で蕎麦を食べられればいいんですから。という気概で行くも。これは、わたしの知っている「水と油」以上だった。今回の舞台装置のアイデアがとても心地よかった。おのでらん小野寺修二と首藤康之がどういう関係だったのか知らないが、世界の首藤康之が小さなベニサン・ピットにも馴染んで、それでいて自分のダンスでも魅せる。首藤康之とマイムは、水と油ではなかった。そして、この見るものを驚かし笑わし連続するアイデアのために、あなたたちはどれだけ練習をしたのだろうか。という物語の意味ではなく、純粋な構成に圧倒される。全く意識していなかったタイトルが最後にきて、ふにおちる。本当に舞台に空白までをも創り上げていた。はてなのいつも絵が美しいひらづみさんがスケッチを書かれているので、観たあとになって牛のように涎をたらしながら反芻。
週末はサイモン・マクバーニーの「春琴」。明日は上野でカレーを食べてからH・アール・カオスの予定なのだけど。チケットはまだ取れてない。「ボレロ」と「中国の不思議な役人」なのに、チケットはかなり残っていますとチケットセンターの人が泣いていた。10年前のわたしは、H・アール・カオスに夢中だったのだ。10年前のわたしは、