次回作は虐殺西部劇だそうで

ロブ・ゾンビマーダー・ライド・ショーはすごい。すごい。すごい。と何度も呆気にとられた。ホラー映画が何なのか、わからなくなったとき「悪魔のいけにえ」をホラー映画のベストだと思い出して確信できる人にとってはこれは堪らない。その後のことを考えるに、トビー・フーパーの映画処女作「悪魔のいけにえ」は偶然の傑作と言いたくなってしまうが、ロブ・ゾンビの監督の力量は本物だ。凝りに凝ったディテール。耐えられない一歩手前のグロさ加減。最新作「キングダム・ホスピタル」のスティーブン・キングにとってのホラーとは精神性の問題らしい。というホラーの王様が作る恐怖の底には神だったり少年の叶えられない夢だったりするという手法は恐怖というより、もはや単なるいい話っぽくてつまらない。というわけで、この映画の悪趣味さは、説明すること自体悪趣味かもしれない。本当に恐いのは、見えない亡霊や怨念なんかではなくて、どこかにいる普通の人の意味のない行為につきる。